つぶやき日記 Ⅹ

 

  ついにつぶやき日記も第10まで来ました。コロナウイルスとの戦いがどういう結末を迎えるのか、結論がでそうな一年です。今年もゆる~くつぶやいて行きます。どうぞよろしくお願いします。      月子

2022年12月24日

クリスマス寒波、やはり来ました。寒いですね。

さて、今日は今年最後の日記です。

去年も同じようなことを書きましたが、家族で集まるこの機会に話をしてほしいことが一つ。家族で最期についての話をしてほしいという事です。

親が子供に、もしくは子供が親と、自分の望む最期についての話をきちんしないのは日本独特の傾向と言われます。そういう話を避ける国民性なのでしょう。海外ではもっとドライに話し合われているそうです。

とはいえ、自然の看取りを望む、という明確な意思表示をしている親を前にしても、いざ、その段になるとなかなか難しいものです。その決断から逃げてしまい、安易に救急搬送を希望してしまう。親の死に責任を持ちたくない、他人任せにしてしまう…気持ちとしては理解できます。でも、しっかり話し合いさえしていれば、「これでよかったんだ」と自信をもって最期に臨めると思うのです。

私の父は「病気であろうが長生きできればできるだけ長生きしたい」と言います。そしてその反面、「延命はしてほしくない」とも言います。妥協点が難しいですが、娘として、どこがおとしどころのポイントなのかははっきり理解できているつもりです。

この1年間、在宅診療の現場にいて感じたのは、要はよく話し合う事。そう思います。

さて、私事ではありますが、10月12日の朝日新聞の夕刊にまとまった作品を掲載していただきました。

遅ればせながら、ここに掲載させていただきます。問い合わせていただいた方たちには、出し惜しみして「円虹の12月号を見て」と言っていましたが、どうも掲載されていないので、ここに掲載しておきます。

 今年も一年間、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 よいお年を!

2022年12月18日

天気はいいですか、寒いですね。また、風邪をひかないように注意する季節です。

さて、12月の頭に届き始めた忌中葉書ですが、同級生からの「親が亡くなりました」という知らせが増えました。自分がそういう年齢になったということでしょう。

たたしこの世には、“逆縁”というものもあります。この子供が親よりも先に旅立つことは、本当に不幸、としか言いようがありません。Yさんはめでたく100歳を迎えましたが、毎週のように施設に面会に来てくれていた息子さんがコロナに罹り亡くなってしまいました。Yさんは年相応の物忘れはありますが、しっかりしています。杖なしでも独りで歩くこともできます。毎週、息子さんが差し入れるバームクーヘンを楽しみに、毎日、本を読んで過ごされている方です。       

Yさんの嘆き悲しみ様は見るに堪えないものがあり、「死ぬ薬があるなら下さい。死ぬ方法を教えて下さい」と医者に訴える姿に会うたびに胸を突かれる思いをします。食事も拒否され、骨が浮き出るほどに痩せてしまい、ついには点滴をする事態になりました。点滴だけでは命を長らえることは難しいでしょう。

逆縁とは、生きる意欲まで奪う、本当に悲しいことなのだと、身に染みて感じさせられました。逆縁にならないよう、気を付けようと考えさせられました。病気だけではなく、事故にも、人の恨みを買わないような心構えも、気を付けたいと思います。

 

写真は、ジャニーズの嵐が楽屋見舞いに使ったLOUIS BLANCのサンドイッチショコラです。同僚が朝から整理券をとる列に並び手に入れてくれました。なんと、1490円もします。

2022年12月3日

 寒くなりました。そして師走に入りました。

 さて、今回はかかりつけ医についてです。もちろん、長年、面倒を見てくれて自分の体のことをよくわかってくれているお医者さんは信頼できるでしょう。ただ、時には疑ってみることも必要です。

 担当する病院や医者が変わることにより、薬が大幅に減量されることはよくあります。救急搬送された病院が、かかりつけ医に薬の問い合わせをしたところ「何のために飲んでいるかはわからないが、当院にかかる前から飲んでいるので、そのまま処方していた」という回答はままあることです。漫然と薬の処方をし続けていることが想像されます。また、勉強不足のためにとうの昔に標準治療ではなくなっている治療を続けていて、我慢しなくていい痛みに耐えていた患者さんもいます。

 先日、契約した患者さんは前医から”食欲がないのは高齢のため”との診断で高カロリードリンクなどの処方を受けていましたが、当院の血液検査の結果から末期がんであることが判明しました。すでに手の施しようがなく、患者さんの家族のショックは相当なものでした。

 今や医者は選ぶ時代です。患者もただのお任せではなく、きちんと選び見極める目を持たなければならないと思います。

 さて、写真はカヌレです。どれを選ぼうかかなり悩みました。

 来週はお休みします。

2022年11月26日

風のないのに紅葉が散るようになりました。早いものでもうすぐ今年最後の月が来ます。

コロナウイルスが表れて、4度目の冬です。そして現在、コロナの第8波が来ていますが、何の規制もない状態が続いています。忘年会の予定も立てやすく、久しぶりにたくさんの会が開かれるため、今から楽しみにしています。

さて、サッカーが盛り上がっています。同僚はサッカー中継のために楽しみにしていたドラマが中止になり、朝からしょんぼりしていたりしていますが、私はラグビー以来のスポーツの楽しみにはまっています。世界のニュースにも日本人選手が多く取り上げられていて誇らしい毎日です。さらに、日本人サポーターの行動まで世界の讃美の的になっていることをご存じでしょうか?日本戦の試合後の会場を掃除して回って帰ったことが世界のニュースで取り上げられ、他の国のサポーターの間で同様の行為が広がっているそうです。

また、選手も使用したロッカールームをピカピカにして去った、と話題になっています。

 

世界でも有数の大国であるという地位から陥落して久しい日本ですが、こういう話を聞くと嬉しくなりますね。こういうニュースは今の世の中を明るくしてくれるので、続くといいな、と思っています。

2022年11月19日

皆さん、記事が消えてしまっていてスミマセン。時々こういうことが起きます。

覚えている限りを再現しますのでご容赦ください。

さて、以前、在宅診療を受けていた母親を亡くした息子が、悲嘆のあまり散弾銃で医師を撃ち殺す、という悲しい事件がありました。この度、それを彷彿とさせる事例に実際に遭遇しました。

余命数日という患者の、家で死にたいという希望をかなえるため介入した事例です。ところが家族は医師の指示通り薬や酸素を使用せず、また、安らかに鎮静をかけてあげたい、いやまだお話がしたい、と患者を翻弄させ、医師も薬局もかなり苦労しました。結局、医者と薬に殺された、とクレームになり診療費、薬代を払わない、という主張になったのです。

入院先の病院から引き継ぐ際に、主治医より「非常に難しい家族なので当院としてはこれ以上対応困難、という事情もあります」と教えられ気を付けていましたが、残念な結果になってしましました。

この事例の悲しいところは、家族を十分に看取った、という思い出が残るのではなく“家族は医者に殺された”という記憶が残ることです。また、亡くなられた患者様の最後も残念な形で締めくくられてしまった、という事にあります。そして、大勢の目がある病院での出来事でないために、非常に密でコアな状況の中、人の思い込みが激しくなる一方という危険があります。

難しい仕事であることを痛感させられました。

誰もが立派に肉親を看取れる、とは限らない。明日は我が身なのでもあります。

 

写真は西区の太山寺です。久しぶりに吟行に行きました。

2022年11月12日

いい天気です。行楽の季節ですね。コロナも第8波が来ているとか、インフルエンザと合わせて気を付けたいです。

さて、今回はLGBTQについての最後のお話です。

写真を見てください。これは世界のLGBTQに対する法制度の充実度を色分けしたものです。赤ければ赤いほど、LGBTQについて否定的で危険な国と言えます。一目瞭然で、アフリカは危険な地帯ですね。LGBTQであることが分かった時点で死刑、という地域もあります。欧米は青一色なので開かれた地帯と言えます。そこで注目していただきたいのが、日本です。日本は白です。

つまり、何の法律も無い=罰則や刑罰等は無いけれど、法的に保護もされていないという事です。「アウテイング」と呼ばれる、本人の同意を得ずに周囲にLGBTQであることを公表しても、見た目が男性という理由で女性用トイレの使用を禁じても、罰されないのです。

実は日本は比較的寛容で、進んだ国と考えていたので驚きました。日本はLGBTQにとって危険な国の一つなのです。現在、日本は国連から是正勧告を受けている状態です。

 

はやく改善されることを望みます。

2022年10月29日

よい気候になりました。まさに俳句の秋です。何年か前に一年間だけ、と決めて熱心にいろんな大会に投句したことがありましたが、あのころは寝ても覚めても俳句のことを考えていたように思います。いまは仕事が優先で、逆に四六時中仕事のことを考えています。ダメですね。

さて、毎回LGBTQについて書いてきましたが、ちょっと飽きてきたので今回は別のお話です。先日、父が“帯状疱疹になった“と連絡してきました。それを聞いて、ああ、父親もそんな年齢になったのだなぁ、と感慨深いものがありました。この帯状疱疹とは、子供の頃に罹患した水疱瘡の菌が、体の中で眠っていたところ、ストレスや年齢、疲労による免疫力の低下により再び目覚めてしまった、という現象です。

体の右か左のどちらか半分しか疱疹が出ないのが特徴です。かなり痛いです。

父の場合は顔面に出たので、見た目も悪く「大変だ!」と驚きますが、実は肩や腰、背中にできたほうが大変です。寝具にあたる部分が痛くて眠れないのです。顔や胸にできた人はラッキーなほうなのです。

この帯状疱疹、結構な確率で後遺症が残ります。疱疹はきれいに治りますが、その部位にピリピリとした神経痛が残ることがあるのです。これ、一生続く人もいます。

で、帯状疱疹にならないためにはどうしたらいいのか…。ワクチンがあります。これは一度接種すれば10年は効果が持続します。少しお高いですが、市から助成が受けられる場合もありますし、毎年、インフルエンザのワクチンを打つことを考えれば、お安いです。しかも効果は絶大なので、ぜひ皆さんにお勧めします。

 

コロナのおかげでグッと身近になったワクチンです。インフルエンザのワクチン接種を終えた日に、帰宅したら5回目のコロナワクチンの接種券が届いていました。注射三昧の一年となりそうですね。

写真はどら焼きです。森のおはぎの系列店のもので、めちゃめちゃ美味しいです。来週は、お休みします。

2022年10月22年

銀杏が色づき始めました。最近は芋菓子ばかり食べています。でもお芋半分分の焼き芋が400円と、物価の上昇を身に感じる秋でもあります。

さて、このところLGBTQについて書いています。よく聞くのがLGBTQであることを公にする「カミングアウト」ですが、実はLGBTQの人の6割が誰にもカミングアウトしていない、という集計があります。また、本来は一番頼りにしてよいはずの家族に打ち明けている人がほんの一握りという事実は、彼らの生きづらさを表しています。まさにカミングアウトは命がけなのです。

LGBTQの人たちには周囲にロールモデルがいません。自分がどのように大人になり、どのような生活を送り、老後を迎えるのか、想像することができないのです。将来に対する不安、周囲に隠し事をしている罪悪感、周囲からの無意識なハラスメント、公的な窓口がないために相談相手がいない、等々メンタル的に追い詰められた状態で生きています。

こういった理由で鬱病等のメンタルに問題を抱える人が多く、LGBTQの自殺や鬱による社会的損失は5000億円に上るそうです。

 

なんともショッキングな話です。芸能界で活躍するLGBTQは輝いて見えるので、ついついその奥にある現実を忘れがちです。反省します。では今回はこのくらいにしておきます。

写真はモンブラン大福、イチゴ大福ならぬモンブラン!生クリームもたっぷりで、美味しかったです。

2022年10月16日

今日までが秋暑らしく明日からは冷たい雨が降るようですね。

さて、前回、LGBTQについて書きました。今回はその2回目です。

私たちは常日頃から「普通は」「当たり前」「あり得ない」という言葉を使います。これは“アンコンシャスバイアス”つまり無意識な偏見を前提としています。これらの言葉を使用しているときは、だれかを傷つけているかも、と考えねばなりません。女性に対して、男性に対して、そしてもちもん若い社員に対して…。前回も書きましたが、LGBTQの人の割合は10人に1人です。もしかしたら、心ない言葉を聞いて心を痛めている人がいるかもしれない、そういうリスクが常に身近にあることを意識して言葉を選んで話をしなければなりません。それぞれのセクシュアリティは、それぞれ個人の自由であって、他人から強制されるものでも奪われたりするものではありません。

 さて、LGBTQの“T”にあたるトランスジェンダーですが、これは“身体的な性別とは異なる性別を自認している人”を指します。また、トランスジェンダーと性同一性障害はかならずしも一致しません。医学的に性同一性障害と診断がついた人のみが“性同一性障害”という事ができるのです。LGBTQの人たちの会話には「トランスジェンダーですが、診断はまだです」や「診断済みです」といったものがよくあるそうです。

トランスジェンダーの究極は戸籍の変更ですが、日本はまだ体が女、男になっていないと変更が認められません。戸籍を変更するにはどうしても性別移行手術を受ける必要があります。そのことが高いハードルになっていることが日本の現状です。

今回はこのくらいにしておきます。

 

このごろ何を食べてもおいしくて困っています。食費がうなぎ登りです。

2022年10月1日

おはようございます。

秋ですが暑いですね。

さて、先日LGBTQの講習会へ行ってきました。今まであまり表に出て来なかったLGBTQの方々ですが介護、医療を受けるにおいての困りごとに直面しています。彼らにとっては問診票の性別欄に答えること障壁なのです。彼らを傷つけないよう、受診を躊躇わないように、こちらがとるべき態度、言葉について学びました。

現在、明らかになっているのが10人に1人の割合でトランスジェンダーの方がおられるという事です。つまり単純に換算するだけでも、カミングアウトしていないだけという人が自分の職場にも、親族にも、仲間にもいるという事です。いつでも傍らに彼らが居る、という事を忘れないように、と。自分の軽はずみな言動で、深く傷ついているかもしれない仲間がいるという事です。

日本はトランスジェンダーにとって、住みにくく危険な国とカテゴリーされているそうです。トランスジェンダーについての法律がないために守られないからです。トランスジェンダーのDV、虐待、確かに聞きません。今、少しずつですが国ではなく、各自治体レベルで対応が進んでいるとのことでしたが、世界で見てもずっと遅れているそうです。

興味深い内容でしたので、今後、何回かに分けてお話したいと思います。

写真は、ルマンのサンドイッチ。たまごサンドが人気です。来週はお休みします。

 

 

2022年9月24日

秋高し、ですね。ただし今朝からの地震で少し不穏な感じがしています。

さて、ちょうど後期高齢者の保険の切り替えが8月、10月と続くのでちょっと保険証の話をしましょう。病院に行くときは保険証を持っていくのが常識ですが、意外と知らない人が多いのが現実です。今の日本ではよほどのことがない限り、保険証を忘れても診察はしてくれます。その代わりお会計は全額実費か、後日保険証を持参して清算ということになります。先に数万円の前金を請求する病院もあります。

で、悩ましいのが何日たっても保険証を持参せず、未払いのままの患者さんです。これが驚くほど多いのです。病院側が何度連絡しても「明日持っていきます」と答えるばかり、もしくは一度催促したら電話番号を登録されて二度と出てくれない。仕方なく督促状を送っても音沙汰なし。でもこれで逃げきれると思ったら大間違いです。

ある日、法的に訴訟が起こされ、高額な利子とともに治療費はきっちり請求され、さらに病院ネットワークのブラックリストに登録され、受信拒否で診察してもらえない、という顛末が待っています。「病院がそんなことをするのか!」というお怒りの電話がきますが、病院も商売です。皆さんも病院、薬局へ行くときは保険証を忘れずに!

 

写真は昨日のコーヒーブレイク。ドーナツもハロウィーン仕様です。

2022年9月17日

台風の季節到来ですね。

すっかり涼しくなり、窓をあけたら口笛が聞こえてきました。虫の音が響くなかを口笛を吹きながらのお散歩か?“上を向いて歩こう”が好ましく聞こえました。

 昔は口笛を上手に吹けることが自慢でした。父方の祖母に教えてもらい、二人で二重奏を楽しむほど上達しました。ビブラートまでできるようになり、澄んだ音色に我ながら得意になっていたものです。口笛は音が響くので愛犬を呼ぶのにも重宝でした。ところが、母が忌み嫌い口笛は禁止。いつの間にか吹くことができなくなっていました。今となっては掠れたような音が頼りなく口から洩れるだけです。

 

口笛は、マスクをしていては上手く吹けない気がします。WHOがコロナの終息が近い旨の発表をしました。マスクを外す生活がそこまで来ているようですね。

 写真は叔母のお得意バターケーキです。医療現場で奮闘する同僚へ差し入れを送ってくれました。

2022年9月10日

 秋の爽やかさがやっと来た、と思っていたらエリザベス女王が亡くなられました。96歳で亡くなる直前まで公務をこなしていた、と聞き本当にすごいことだと感じています。

 人によって寿命はそれぞれです。100歳でもかくしゃくとして独歩で冗談を言える人もいれば、70歳台で寝たきりで食事も取れないような人もいます。エリザベス女王は前者でしょう。

限界が近づく肉体は顔の造形までも崩れてきます。そして生きているだけでやっとという状態にまでなると横になろうが座っていようが、息をしているだけであちこちが痛むようになります。これは当然のことで、すでに体中のすべてのものが摩耗し、想定外の稼働を余儀なくされているからです。

在宅診療あるあるなのが、この肉体の限界を迎えている患者さんたちの「もう死にたい」「しんどい」という訴えにどう答えるか、という問題です。意識がしっかりしている患者さんは特にこの訴えが強いです。何を隠そう長寿家系の私は、自分の行く末を見るようで日々戦々恐々としています。

 

今回のコロナ第七波ではワクチン接種の効果もあり、罹患しても軽症で済む高齢者がほとんどだと聞きます。ですが、死者はこの軽症、中症のなかから多く出ています。その理由は、生きるだけでも精いっぱいだったところにコロナにかかり、鞭打つようにして薬でなんとか回復できてもその後のリカバリーができずに亡くなるケースが続出したからです。熱も下がり、肺炎もきれいに収まったものの、体力が戻らないまま、食欲が戻らないまま衰弱し亡くなるケースを嫌というほど見ました。面会に来た家族から、リハビリの先生から、ヘルパーさんから移ってしまった訳です。本当に、自分がかからないのは第一ですが、移さないことにも心を砕く必要がありますね。

写真は知人の手作りの唐辛子です。めちゃくちゃ美味しいのです。来年は自分で作ってみようと思わされました。

2022年9月3日

朝晩、ようやくしのぎ易くなりました。銀杏も実をつけています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、ショートカットに髪型をしているので、夏の間は頻回に美容院へ行った私ですが、毎回、大量の髪の毛が処分されるのを見て大いに満足しています。子供の頃から髪の多さ硬さに悩まされ、美容師さんにもあきれられるほどでしたが、「年齢を重ねれば嵩が減ってコシがなくなりちょうどよくなる」という話を信じてそれを楽しみにしてきました。それがいったいいつの話になるのやら、今現在も恐ろしい毛量を保っています。先日、ふと自分の髪のゴミが一年でどのくらいの量になるのかを想像して考えました。

「なんだかもったいない…」

長く伸ばしてカツラの原料として寄付でもすれば有用ですが、なにせ短髪なのでできません。一瞬、クッションの中身に…などと考えましたがあまり気持ちの良いものではないと思いなおしました。何か有効に利用できないものか?

 もともと、髪の毛は昔から座礁した船の重油を吸着させるオイルフェンスとして利用されてきました。髪の毛は油を吸うのです。焼き肉を食べたときに髪ににおいが付きますが、これは髪の毛が油をよく吸うからです。つまりにおいは油なのです。香水も油。洋服ににおいがつくのはウールが羊の毛だからです。

 ということで、何か使い道がないか?と考えている今日この頃でした。一応、自分の一部分ですからね。

 写真は近所にオープンしたパンナコッタ専門店のもの。しばらく長蛇の列ができるほどでしたが、今はもう閑古鳥がないています。人って飽きやすい。

 17日に伊丹のことば蔵のイベントに出席します。久しぶりに、1日中俳句に浸かる日になりそうです。

伊丹一句の日協賛句会ライブ

2022年9月17日(土)13時~16時

会場 伊丹市立図書館「ことば蔵」

JR伊丹、阪急伊丹下車、徒歩7分

 

 

受け付け・投句 13時~13時30分

   ※自由な1句を投句してください

コメンテーター/香川ヒサ(歌人)新家月子、南北佳昭、山本真也、渡邊美穂 

捌き(司会)坪内稔典 参加費 1000

申し込み不要、直接に会場へどうぞ

         ※

柿衞文庫応援隊柿の会総会  

句会ライブ終了後、同所にて開催します。

 

主催・柿衞文庫応援隊柿の会・伊丹市俳句協会

 スタッフ・土谷倫、内橋加奈子、古閑眞奈美

 

問い合わせ 電話 09056515095(坪内)

2022年8月27日

 お盆も終わりすっかり秋めいてきました。我が家に吹く風が肌寒いぐらいになってきました。

 さて、このひと月は怒涛のような日々でした。連日22時ごろの帰宅が続き、帰宅しても電話当番の日は夜通し電話が鳴り続けるという、もう何が何だかただがむしゃらに来たような気がしています。さすがに年齢的なこともあり疲労困憊。毎日2本の栄養ドリンクにて元気を保っていました。ただ、ようやくお祭りのような忙しさも落ち着きを見せています。コロナが収まりつつある証拠のような感じがしています。

 在宅診療とは365日、24時間、患者さんに対応します。コロナが流行している今、患者さんやその家族は微熱でも“もしかしてコロナ?”と心配して往診の依頼をしてきます。ガン末期の方は“腫瘍熱”と言われる微熱が続くし、おむつをしているお年寄りに頻発するのが尿路感染による発熱、その次に多いのが誤嚥性肺炎による発熱と、在宅診療を取り巻く環境には発熱案件がてんこ盛りです。その一つ一つに対応するのですが、その中に「まさか、まさかのコロナ陽性だった」というケースがかなりの割合で紛れ込んでいたのがこの夏の第七波でした。

 コロナに罹患した人をどこまでも追求し、非難して、阻害していた当初の騒動が嘘のようですね。もう誰もコロナになっても驚かない、そんな世の中になりました。コロナになった同僚や友人は「もう悟りを開いた境地になる」「吹っ切れて怖いもの無しの気分になっている」と言います。独特ですね。ただし精神的に最強になっても、体力は最弱になるらしいので皆さん、やはりお気をつけあそばせ。

 句を詠むにはいい季節になりつつありますが、落ち着いて句に取り組もうという余裕がありません。少し焦りますね。写真はずいぶん前にいただいた差し入れ。こう見えて練り切りの和菓子です。

2022年8月13日

うだるような暑さですが、東北のほうは台風で大雨。極端ですね。甲子園のテレビを見れば、私の住んでいる近辺の天気が分かるわけですが、見たまんま連日の猛暑です。 

 さて、プラセボという言葉をご存じでしょうか?

 医療界ではよく聞くワードです。私たちは日常的のこのプラセボ効果にお世話になっています。たとえば、風邪薬をのんで症状が良くなったと感じるのはほぼこのプラセボ効果によると言われています。市販薬にそれほど薬効はないのですが、飲んだことによる安心感、が良くなった気にさせるそうです。湿布薬も即効性は無いのに、ハッカ油のスーとした感じが、効いた気にさせてくれるのだそうです。面白いですね。

ある患者さんは毎日「おなかが痛い」とぐったりベッドから起き上がれません。診察のたびに弱々しく横たわる姿に心を痛めますが、お通じは問題ないし、蠕動音も正常、おなかの張りもありません。要は腸の動きに敏感で、過剰反応として“痛い”と感じているらしいのです。どんな薬を使おうと効果なし。

そんな患者さんが「先生、ムヒを塗ると幾分楽になる」とポツリ。すかさず先生が「ムヒ、いいよね。ムヒは万能なんよね。僕もなんかあればムヒ。頭痛にも効く。腹痛にも効く。なんかわからないけど効くんよね」とムヒを絶賛。ムヒとはもちろんよく知られた“痒み止め”ですが、お腹に塗って腹痛がやわらぐ?なんてことはありません。先生が狙ったのはまさしくプラセボ効果。今後、この患者さんは腹痛のたびにムヒをお腹に塗って安心することでしょう。これも内科の世界です。

さて、夏にはやっぱり冷やししるこ。同僚が並んで買ってきてくれました。

来週はお休みします。

2022年8月6日

 大雨が降るかと思えばカンカン照りですね。そしてコロナの再燃。皆さんはお元気でしょうか?昨日、ようやく四回目のワクチンを接種しましたがやはり副反応が出て、本日は37.8度(平熱35.6度)。解熱剤を飲んでいます。37度台でもこれだけ倦怠感があるのに、39度台の人たちはどれほど苦しいか、改めて思い知らされる気がしています。

 政府の「四回目のワクチンは医療従事者の優先摂取枠無し」の決定には耳を疑いましたが、いまさら優先摂取が認められても、もはや時遅しですね。

 とにかく感染力が強く、ある施設では訪問歯科受診した人だけが発症。つまり完全防備で診察しにきた歯科医が感染者だった訳ですが、それでも感染してしまうのですから怖いですね。

 それにしてもこれだけの感染者がでていれば、社会が機能停止になるわけで、インフルエンザ並みの対応に変える対応が急がれます。いちいち感染者の数を数えるのも大変だし、発熱している、というだけでまずはPCR検査を受け、その結果を待たねばならないなんて変です。

 急性胆嚢炎で手術適応の患者さんは、まずコロナに感染していないことをPCRで確認してからの診察になりました。四回目のワクチンを受けていない医療者が多い現在、当たり前の手順ですが、どうにももどかしいですし、政府の失策の犠牲になっているような気分です。

 

 さて、そんな中ですが原爆の日を迎え、甲子園開催の日を迎え、少しずつですが元の生活に戻りつつあるような兆しも見えます。皆さんもくれぐれもご自愛ください。

 スタミナのために、夏はやっぱりカレーですよね!

2022年7月31日

 猛烈、という言葉がぴったりな暑さですね。

 この炎天下を1分でも歩けば、汗が吹き出します。皆さんは適切に冷房を利用していますか?

先日、ある患者さんの定期診療に出向いたところ、なかなか家に入れてもらえずに炎天下で長時間押し問答をすることがありました。認知症がどんどん進む中で、診察があること、医師の顔や名前をすっかり忘れてしまった患者さんは、我々を“怪しい”と思ってしまったわけですが、ケアマネージャーさんが駆け付けるまでの約30分、それはもう往生しました。また、汗びっしょりでようやく踏み込めた家の中はコバエがプンプン、雨戸は締め切られ、部屋は物が散乱している状態の、いわゆる「スリッパ対応」というお宅。疲労感がいや増した、という感じでした。

 “在宅診療あるある”なのが、この汚部屋です。物が溢れかえるゴミ屋敷から、排せつの失敗が多い高齢者宅、妙にべたべたする床の家、くしゃみが止まらない家…、あげればきりがありませんが、あまりに汚いので、スリッパを持参しなければならない、という訳です。

 一概には言えませんが、こういうお宅は外部の救済の手が届きにくく、行政の手が入るころにはかなり生活の質が低下してしまっていることが多いのです。そんな患者さんのお宅が全体の2割程度占めるのが、在宅診療の実情です。

 と、まぁ厳しい現実の中を日々奮闘しています。

 

 写真は叔母から送られてきた桃と同僚の看護師さん達です。

2022年7月23日

 まるで梅雨に戻ったかのような天気が続きましたが、ようやくカラッと晴れた日が来ました。この先、また39度の日がくるのでしょうか?

 さて、私事ですが、肋骨にひびが入りました。以前、先輩が後部座席の荷物を取ろうとして骨折したので、簡単に折れることは知っていましたが、まさか身をもって知ろうとは思いませんでした。くしゃみや咳をすれば響くし、大きく息を吸っても痛むので、しばらく難儀しました。治療というのは特になく、いわゆる日にち薬ですが、あまりひどい場合はコルセットをするそうです。

 老人施設からは、連日“コロナ陽性”の連絡とともに“転倒”“骨折”の連絡が入ります。お年寄りは受け身をとれません。転倒された方は、大腿骨や警部の骨折に合わせて頭部の打撲による痣やたんこぶを作ります。非常に痛々しい姿になります。

 最後にこけたのはいつのことか、思い出せませんが、今の自分が上手く受け身がとれるか?甚だ疑問です。

 人の反射は、かならず低下します。今できるのは、骨を強くするしかなく、最近はカルシウムの摂取を意識するようにしています。

 

 夏は食が細り、喉越しの良いものばかりを食べがちです。しっかり栄養のあるものを食べましょう。

 写真は近所にできたパン屋さんで人気のコルネです。パリパリでおいしかったです。

2022年7月9日

 安倍元総理が殺害された事件は、あまりに衝撃的でした。いまだショック冷めやらぬまま朝を迎えました。かつてこれほど日本ブランドを海外にセールスしてきた総理がいたでしょうか?G7をはじめ、他国の首脳に尊敬され国際会議でのイニシアチブをとれた総理は珍しいでしょう。本当に残念です。楽しいことを何もやる気になれず、色んな予定をキャンセルしました。自分なりに喪に服そうと思います。

 何を書いても嘘っぽくなるのでここらでやめておきますが、惜しい、悔しい気持ちでいっぱいです。ご冥福をお祈りします。

 写真は最近、愛用しているタオルハンカチ達。タオルハンカチの良いところは、アイロンが不要というところ、夏は重宝します。

 来週はお休みします。

 

 

2022年7月2日

 毎日、うだる暑さです。年齢的なこともあるでしょうが、体にこたえますね。

 

 さて、この季節、素足で過ごすことが増えますが、皆さんは人前に出せる足でしょうか?在宅診療をしていると、すぐにあることに気が付きます。自宅で介護されている人に比べて、施設に入っているお年寄りの水虫の多さです。水虫も想像を超える勢いで、爪が白癬菌により白くなるうえに恐ろしく肥厚化して、普通の爪切りではとても切れません。これが巻き爪となり、肌に食い込んだり、靴下に引っかかって剥がれてしまったり、でかなりの曲者に。たかが水虫にあらず、恐ろしい病気なのでした。この爪を切る作業は医療者が請け負うのですが、もう阿鼻叫喚の様相を呈します。患者さんは痛さに泣いたり、叫んだり、血圧が上がるわ、暴れるわの大仕事です。

 なぜ、施設のお年寄りは皆水虫なのでしょうか?私なりに考えるに、施設のお風呂場でバスマットを共有するからではないか?と。楚々とした老婦人も、「先生」と呼ばれる老紳士も、みぃ~んな水虫。ある意味シュールです。

 

 皆さん、水虫には気を付けましょう。馬鹿にして放置していたら、後々、ジワリとこたえますよ。

 先日、久しぶりに吟行会に参加してきました。六甲山はまだ暑くなる前で、心の洗濯になりました。

2022年6月25日

じめじめします。それでも今年は空梅雨なのだそうです。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 先にウクライナ鬱について書いたことがありますが、今、世の中全体がイライラしています。コロナの再燃、不気味なサル痘、終わらない戦争、物価上昇。良い話が出てきません。どうしても不平不満のなかで生活せざるを得ない状況です。

 先日も、怒ったような顔をした友人から一枚の写真を見せられました。友人の車と見知らぬ車の並ぶ写真です。なんでも買い物先で駐車したところ、隣の車の持ち主が戻ってきて乗り込むときにドアが当たったのだとか。友人はカッと頭に血が上り車を飛び出し、「傷ついた!どうしてくれるんだ」と言いつのったそうです。ちょうどドアに傷らしきものがあり、相手も驚いて謝ったが「謝ってすむ話ではない」と数枚の証拠写真を撮った、という顛末です。ところが、相手が再びドアを開けてみせると、全然別の部分についた傷だと判明し、「気を付けてくださいよ」と注意だけしてその場は収まった。しかし友人の怒りは収まらない。このまま許すまじ!とばかりに相手のナンバーもばっちり映った写真を見せて私に相談してきた訳です。

思い出せば思い出すほど腹が立つ、との弁だが写真を見れば、後から駐車したという友人の車が、異常に車間を開けずに停めている。人が横を向いてようやく通れる程度しか隙間がない。「逆にあんたが迷惑。当たり屋かよ!」と伝えると、初めてそのことに気づいた友は大反省したのでした。ちなみに傷はただの汚れでした。

 「心が狭くなっているよねぇ、何でも人のせいにしてしまう」とお互いに話しましたが、本当にその通りです。そこに今回の選挙です。なるべく他の候補者の悪口を言わない、政策を丁寧に話す人に投票しよう、としみじみ思うのでした。

 写真は差し入れのチーズケーキです。わらび餅も続きましたが、続くときは続きますね。

 

 

2022年6月11日

 暑くなりましたね。今年の夏はどこまで気温が上がるのでしょう?

さて、現在、在宅診療のクリニックに職を移して働いているのですが、総合病院に勝るとも劣らない人間模様に毎日翻弄されています。在宅診療とは、医師や看護師が患者の家に出向いて診療を行うことを言います。つまり病院とは違い、イニシアチブは患者さんやその家族にあります。診療の場は、患者さんの家なので「出ていけ」と言われればこちらが出ていかなければなりません。治療方針が合わなければ退院するか受診拒否ができる病院に対して、在宅診療ではこちらの方針と患者の希望の擦り合わせをしなければなりません。そういうパワーバランスのなか診療を行うのが在宅診療です。

事前に訪問時間を連絡して行くのですが、予定している時間通りに訪問しなければ「まだなんですか」と何回も電話をしてくる家族(もちろん急な往診が入ったり、道路事情で遅れることもあります)、また深夜や早朝でも「さみしいから話し相手になって」と電話をかけてくる患者(だいたい決まったお馴染みの方からです)、面倒をみている家族が外出中に「胸騒ぎがするので見に行ってくれ、お薬飲んでいない感じがします」と要求してくるケース(つまり、自分の代わりにお薬を飲ませる人がいないため代わりに飲ませに行って欲しい、ということ)等々、なんでもありです。無理難題をやんわり断りながら、コミュニケーション力が磨かれる毎日です。

まぁ、飽きることないドラマが延々と続くような感覚です。ですが、この先この在宅診療というのが大きく普及するのは確実です。今後は折に触れて、在宅診療の実態についても紹介していきたいと思います。

来週はお休みします。

 

 

2022年6月4日

 マスクを外して良い場面、というものを政府が示して二週間程度でしょうか?マスク無しで歩いている人をちらほら見かけるようになりました。かく言う私も、通勤の自転車ではマスクを外しています。忘れかけていた頬にあたる風の気持ちよさに驚いています。

ところが、なんというかいわゆる“日本人”ということなのでしょうか、まだまだマスクを外しているのは少数派です。マスクをせずに自転車に乗っていると、驚いたような視線を痛いほど感じます。まだまだ周囲の様子見、といったところでしょうか?たまにマスク無しの人と出会うと、お互いに同志のような気持が湧き上がるのです。

あれほど嫌がっていたマスクの義務化。それが晴れて解除されると今度はマスクを手放せなくなっている。不思議な話です。若い子の中には「顔パンツ」と称してマスクが必需品という人もいるとか。素顔を曝すことへの抵抗があるそうです。

マスク無しの生活が戻ってくるのか?マスクがいつも傍らにある生活が当たり前になるのか?どちらにせよ、マスクの中が蒸れて、煩わしい季節になったのは確かですね。

 

今年から野菜にはまているのですが、このMIXトマトもその一つ。それぞれ味が全く異なるので、食べていて楽しいです。

2022年5月28

夏らしくなってきました。

 ウクライナは膠着状態ですが、今、精神科の先生たちの間で熱いのが通称“ウクライナ鬱”です。お年寄りの場合は、戦時下で空襲の中を逃げ回った記憶が呼び戻されてしまうようです。若い人達は、日々流れる悲惨なニュース映像が脳裏に焼き付いてしまい、将来への不安と相まって気持ちが深く沈むようになる人が多いのだとか。

 

 老人施設では、毎晩悪夢に苦しめられて眠れない人や、何度も起きてきてしまう人が続出。私が診察に立ち会ったあるお年寄りは、悪夢の内容を聞かれて話そうと口を開くのですが、あまりの怖さに言葉にならず、ただただ動悸が打つのです。先生の手を固く握りしめる姿はいかに戦争中に恐ろしい体験をしたのかを物語っています。

遠い国の戦争が、今、この日本に及ぼす影響は経済だけではないことに驚かされます。

 現代の戦争と昔の戦争ではいろいろ異なるところはあるでしょうが、いつも苦しむのは市井の人たちということは変わりません。これ以上、長引かないことを祈るのみです。

 

 さて、今年はわらび餅がブームなのでしょうか?5回も6回もわらび餅の差し入れが続くと、夏の到来を感じますが、大量に余る黄な粉も悩ましいのでした。

2022年5月14日

沖縄は梅雨入りしましたが、この辺も梅雨のような天気です。

 さて、よくお肌のお手入れについて聞かれます。残念なことに、あまり熱心にお手入れしていないので、相手にがっかりされるのが常です。ドラッグストアの化粧水とクリームの2種類のみというラインナップもさることながら、顔を洗剤で洗わないのも珍しいようです。

 そんな私が友人に誘われてお肌のお手入れの講習会に行ってきました。何でも友は年間50万円以上をその店に支払い定期的にお手入れを行っており、今回、vip向けのシークレット講習会に誘ってくれたのでした。

 そこで目から鱗が落ちまくった訳ですが、何から何まで間違ったお手入れ方法をこの何十年間も続けていたことに大いに反省したのでした。

 高級化粧品を売りつけられそうになりましたが、友人がバカ高い美顔器を購入したおかげで何とか回避でき、お手入れの知識だけGETできた有意義な時間となりました。世の中にはお金に糸目をつけずに美肌を目指す人が多いのですね。

 とにかく、摩擦は厳禁。乾燥も厳禁。就寝前にはベトベトになるほどクリームを塗りたくること。首まで塗ること。等々、はぁ、まぁ、大変です。

 でも、できるところから挑戦しようと思っています。美肌のためですから。

 写真は今が旬の“いさき”です。父の釣果が届きました。

  次回はお休みします。 

2022年5月7日

ゴールデンウイークとは無縁の職場で元気に働いています。皆さんは満喫されていますか?

さて、尾籠な話で申し訳ありませんが、皆さんは毎日にお通じ順調でしょうか?特に女性は老若を問わず便秘に悩まされる人が多いのですが、高齢になると男性も便秘になる人が多いようです。

高齢患者のほぼ9割が下剤を常用されているというのがよい証拠です。高齢患者さんはとにかく、毎日の排便に並々ならぬ情熱をかたむけておられる人が多く、一日お通じが無いだけで救急車を呼ぶ人もいるほどです。

 どうしてそれほどにまで排便に気を使うのか?「どうしてもそのことばかり考えてしまう」という人もいるくらいです。実際は、食事量も減っているため、無理に毎日排便が無くても不自然ではないのですが、何か底知れない恐怖心を生むのでしょうか「毎朝出ているのに、今日はもう昼前なのにまだ出ていません」などという悲壮感ただよう相談の電話がかかってくれば、ご本人の深刻さが伝わってくるものです。

 整腸剤に加え、便秘薬にはセンノシド錠、酸化マグネシウム錠、ラキソベロン内服液、ラグノスゼリー、ミヤBM錠と様々ありますが、どれも程度に差こそあれ癖になります。そのため、なるべく下剤に頼らない生活を送ることをお勧めします。

 納豆、効くらしいです。オリーブオイル、効くそうです。こんにゃくやレンコンは逆効果のこともあるようです。ヨーグルトは今一つ。といったところでしょうか?医師がアドバイスするのをそばで聞いていれば、よく動くのもよいそうですよ。

 

 恒例のバジルペーストの代わりに、今年は叔母御自慢のバターケーキが届きました。実は叔母にアレルギーの症状が出てしまい、今年はバジルの栽培を断念することになったのでした。

2022年4月30日

ゴールデンウィークに入りました。

ウクライナは膠着状態、観光船の行方不明者は見つからないままですが、ようやく行動制限のないゴールデンウィークとなりました。マスクは外さずに、楽しみたいと思います。

さて、皆さんは毎日のマスクをどうしていますか?

病院ではマスクをポイと捨てるのは厳禁です。紙に包んだり、ビニールに入れたりして特定のゴミ箱へ捨てねばなりません。マスクにウイルスが付いている、という発想なのでしょう。そして、我が家では玄関にマスク専用のゴミ箱を設置し、帰宅したらそのまま捨てるようにしています。

 一時期流行った布マスクは、何度も洗えて繰り返し使用できる優れモノでした。ただ、ウイルスを防げないということで今やすっかり姿を消しました。代わりに使い捨ての不織布マスクがスタンダードとなったわけですが、このマスクのゴミが馬鹿になりません。

 医療従事者という立場上、一日に最低2枚はマスクを捨てます。週五日勤務すると10枚、土日は一枚ずつとして、一週間に計12枚を廃棄しています。月でいえば60枚ぐらいでしょうか?これではSDGSの世の中に逆行しています。

 現在、大量に出される大人用の紙おむつの再生利用の研究が進んでいるなか、マスクも同じように何か再生できないものか、と考えてしまいます。

 ほとんどの不織布はポリプロピレン製です。そしてその原料は石油なのです。そう考えると、この先不織布マスクは無くなるかもしれません。資源を大切にしないと、いつかしっぺ返しが来るような気がして心配になります。

 

 写真はいまハマっているブロッコリーです。旬の野菜は美味しいですね。

2022年4月16日

春の集いも無事に終了し、八重桜が盛りの季節になりました。

ロシアの計画の先が見えず、もやもやするのも疲れてきましたね。

 さて、若葉の季節だからと言うのではありませんが、車の若葉マークと紅葉マークについていかが感じていますか?

出来ればどちらもつけたくないと思うのが本音ではないでしょうか?それでも減点になるので渋々つけているのが本音のところでしょう。

特にこの紅葉マークというのは、次は“落葉”との感がぬぐえないネーミングもあいまって付けていない人が目立ちます。退院する患者さんを迎えに来るご家族もまたそれなりの高齢であることが多いのですか、車に紅葉マークが付いていた試しがないのがいい証拠です。

父も75歳ですが、紅葉マークを付けておらず「紅葉マークなんてつけてたまるか」と聞く耳を持ちません。まだまだ若く見られたいのか、運転に自信があるのか、とにかく同じような考えの方が多いのだと思わずにはいられません。

ただ、本人の意見や気持ちとは別に、はたから見ている我々の気持ちは冷ややかなものです。特に危うい運転だったりすると非難の対象になります。もはや“迷惑”の域に達することも。

紅葉マークの車がゆっくり走っていても、腹が立ちませんが、明らかに高齢の運転手がノロノロと運転をしていると猛烈に非難したくなるのが人情です。

私はどうするかなぁ?と思いますがその時が来るまで棚上げにしておくつもりです。 皆さんはどうしますか?

写真は蓋が閉まらないほどの唐揚げ弁当です。あっちゃん弁当、尼崎です。最近はちょっと食べ過ぎ。

来週はお休みします。

2022年4月12日

櫻吹雪のなかを「春の集い」の会場まで歩きました。

初夏を思わせるような晴天のなか、無事に開催できたことを嬉しく思います。

従来の会よりも直前のキャンセルの方が多く、運営側がバタバタしたのが本音ですが

盛会であったことが何よりのご褒美でした。

何となく皆さんの句も、渾身の力作が多く、この会を楽しみにされてきたのが判るような気がしました。

  今回は、感染防止のためにいつものケーキをやめて焼菓子となりましたが、残念がるお声を多数いただきました。来年こそは、美味しくケーキを頂きたいものですね。

 

 ニュースではじわりと第七波が始まりつつあると言います。また、ウクライナ情勢も解決の兆しが見えませんが、つかの間の楽しい時間を過ごせたことを感謝しています。

2022年4月2日

神戸もようやく桜が満開になりました。この週末にお花見をする方も多いでしょう。春たけなわに、国中が何となく幸福な気持ちに浸る中、ウクライナの混乱は続いています。何でも、プーチンがあまりにも怖いので、部下が正しい情報を伝えて来なかったらしい…という話がニュースで飛び交っています。当人に都合の良い話ばかりが伝えられていた…という事実にプーチンさんは、自分が“裸の王様”であったことに気付いたでしょうか?

大人になると、間違ったことを言ったり、やったりしてもなかなか周囲が注意してくれなくなります。ましてや注進しても逆切れしたり、恫喝するような人には誰も何も言ってはくれません。今回はそういう事が、一つの国家の中枢で起きた訳ですが、人命のかかった“侵略”という事柄の中であったことに驚かされます。

ただ一人が始めた“プーチンの戦争”、この大儀なき戦争が終わった時に何が残されているのか…。彼が主張する虐待やネオナチは存在したのか?核兵器は存在したのか?彼はどうなるのか?見守りたいと思います。

来週は「春の集い」です。円虹の一同が集い、楽しく句座を囲む会をようやく開くことができます。感染対策を徹底しています。心置きなく一日を楽しみましょう。 

写真はお花見弁当です。この春はコロナ自粛に疲れた反動か、花見のお誘いが沢山です。

2022年3月19日

ウクライナ情勢も解決に向けてようやく動きが見られるようで、早期停戦を願うばかりです。今週は大きな地震もあり、落ち着かない日々でした。

さて、たまには暗い話は抜きで行きましょう。最近、美味しいものばかり食べている私です。患者さんからの付け届けの恩恵にあやかっているためです。人はどうして医者に付け届けをするのでしょうか?彼らは命を救うことが仕事で、当然のことをしているだけなのですが、やはりそこに命が絡むと一気に尊いものになるのでしょうか?痛い、苦しい、辛い状況から救ってくれることへの感謝は並大抵のものではありません。本当にありがたいものです。 

ただ、残念なことに如何に高価な菓子を届けても、先生の口に入ることはほとんどないと言うことを知っていますか?総合病院の先生たちは忙しくてほとんど医局には居ません。配られた菓子類は次第に固く干乾びていくのです。

 ただし、その費用対効果ですが、全く無いわけではなさそう。先生の生の声を聞いてみれば「貰ったら少し親切にするかなぁ、朝の回診の時ちょっと優しくする、とか」という程度ですが効果はありそうです。まぁ”本当に必要ない”、というのが先生たちの一致する見解でした。皆さんもお気遣いなく。

 このお菓子、モチもちのお餅に生クリームと栗のペーストを載せたもの。美味しく頂きました。

 また、去る3/17の毎日新聞に坪内稔典先生に句を掲載していただきました。ありがとうございます。そして沢山のLINEやメールをありがとうございました。 

 来週はお休みします。

2022年3月12日

桜の芽も少し大きくなってきたように感じます。昼はポカポカ陽気が増えましたね。

残念ながら、ウクライナ情勢はますます深刻になって来ています。“無人の建物を攻撃した”“ジェノサイドが行われているのを阻止するために侵攻した”“民間人を攻撃していない”等々のロシアの主張にうんざりするのは私だけではないでしょう。

 小欄について、色々な意見が寄せられていますが、忘れてはいけないのは民間人が犠牲になっていることです。そして、全てのロシア人がこの侵略に賛成している訳では無い、ということです。ロシア人である友人のナタリアは深い悲しみの中にいます。

 物の値段も上がるし、良いこと何もなしです。堂々と行われている侵略に、世界中が何もできないなんてことに驚きますが、私自身も何も思いつきません。下手に出ると、第二のウクライナになりかねないですから。

 さて、そんな中でも春の集いは開催します。皆さんにお会いすることを楽しみにしています。申し込みは15日までです。 

 写真はクロッフルという韓国で流行っているお菓子です。名前のままのクロワッサンをワッフルにしたようなお菓子ですが、癖になる味でした。

2022年3月5日

さて、一週間が経過しましたが、残念なことにウクライナ進行は現在も進行中です。今、何かを発信するときにウクライナについて触れないのは、非常に不自然なことで、避けては通れない話題ですが、平和の祭典であるパラリンピックの開会式でも、触れずには終われない問題となってしまいました。この侵略の間に、いったいどういう行動をしたか、発言をしたか、ということが国や組織、それに個人にとっても大切で、後々フィードバックされた時に後悔しないようにしたいものです。

それにしても、毎日流れる映像はかつてのサラエボやソマリアを彷彿させられて、まるで歴史の映像を見ているようです。この異常な事態に、世界が次第に慣れてしまう事を懸念しています。でも、どうしたらこの侵略を止めることが出来るのか、その決定的な術をまったく思いつかないのが悲しい現実です。 

お気楽な話題を書こうにも、どうにもそぐわない空気に悩ましい限りです。ただ、春らしい話題として、今年もイカナゴ漁が解禁となりました。まだまだ不漁だそうですが、去年よりは増えているとのことで、少し明るいニュースになりました。写真は“あまりん”という苺です。苺も色々な品種が出ていて、食べ比べて楽しんでいます。

2022年2月26日

 バレンタインデーにも気付かずバタバタと過ごした2月がもう終わろうとしています。毎日、眉間に皺を寄せて出勤する私の姿をみていて、家人も「バレンタイン」とも「チョコレート」とも言えずにいたようです。

世の中もオリンピックにウクライナ情勢と目まぐるしく動いた月でした。

そう、ロシアがついにウクライナに進行しました。今の時代に侵略なんて起こり得ない、と油断していた人は多かったと思います。

一部の独立宣言した地域のみを併合しても、ウクライナ全土を併合しても、どのみち厳しい批判と経済制裁を受けるのなら、この際、丸ごと頂こう…、と考えるのは当たり前で、プーチンさんは最初からキエフを目指していたことでしょう。

そこに「ロシアに武力行使はしない」と早々に明言してしまったバイデンさんの弱腰も重なり、起こるべくして当然の結果になったわけです。国を奪われる悲劇がまた繰り返されます。

 

それにしても嫌なニュースです。解決策がないのが残念でしかたありません。

  写真は今ハマっている美味しいミニトマトです。フルティカと言います。梨か白ブドウ?西瓜?のような味がしますよ。

2022年2月12日

立春を迎えて、空の雲の形が変わってきたように感じます。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、小学校の学級閉鎖のニュース聞いて驚きました。一クラスの生徒数が27人というのです。今の小学校は、そんなに少人数なのですね。私が小学校、中学校のころは1クラスが51人~52人でした。後ろの席の子は背中が壁に付くし、前列の両端の子は黒板が光って見えにくかったものです。一学年17クラス。まさしく第二次ベビーブーム世代でした。遠足に行くにも、ズラーと大型バスが17台並びます。もちろん一クラスに先生は一人だけで、副担任なんてものは有りませんでした。それでも誰一人置き去りにすることなく行事が進んでいたことに驚かされます。先生、ありがとう!です。

これほど環境が違えば、成長過程が全く違うものになるのだろうなぁ、と深い感慨を覚えます。私たちの場合は、有象無象の大勢のなかを生き抜くため、熾烈な競争をせざるを得ませんでした。追い越せ追い越せで、何をするでもすべてそこに競争が生まれました。あまり余裕のない生活だったように思います。楽しむことなく、勝つことばかりを重視してきたようにも思います。もったいない青春だった気もしてきました。

今、北京ではゆったり余裕のある環境で育った選手たちが活躍しています。おおらかに育った事を思わせる、素直な若者を見ていて、自然にこちらも素直な気持ちになります。彼らには、勝ち負けも大事ですが、楽しんで欲しいと思います。

 

来週はお休みします。

2022年2月5日

かなり風が強く、寒い朝ですが、昨日は立春を迎えて暦の上では春です。

コロナの感染数も山を迎えず、オリンピックの開会式でもマスクばかりで淋しかったですね。

さて、同僚の娘がコロナに感染し、彼女自身も濃厚接触者として自宅待機中に感染しました。当然かなり長い期間を休んでいた訳ですが、職場復帰の日、朝礼の席で深々と頭を下げて「感染してしまいご迷惑をおかけしました」と言ったのには違和感を感じました。上司も「皆さんは油断しないように」と付け加えたのを聞いて、コロナの感染は“油断した”と言う事?と腑に落ちない気持ちがしました。

もはやここまで来て、コロナに感染することは“悪”なのでしょうか?なにも感染した人が悪いわけでは無く、これほど感染が広まれば“仕方がない”のではないでしょうか?誰もが感染するリスクがあるのです。

特定の人物が職場から離脱すると、途端に業務が回らなくなることがままあります。その人しか知り得ない情報であったり、技術であったり事情は様々でしょうが、そのことで完全に組織が崩壊してしまう、なんてことが起こるのです。ただし、こういう組織は健全ではなく、特定の人だけに業務が集中しているという訳で、いざと言う時に困ることになるのです。

いつもみんなで助け合う組織であれば、その中の一人が突然休もうと、周りが代わりにその人の仕事をすることができます。このコロナ禍で、こういうことが大切だということに気付いた組織は多いのではないでしょうか?

コロナに感染することは“悪”ではない。仕事を休んでもいい。そういう風に考えています。

 

 

2022年1月22日

毎日、本当に寒い日が続いています。朝起きてみると一面の銀世界だ、と言う日もありました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、朝の連続ドラマや相撲中継というのはお年寄りに非常に人気の高いテレビ番組です。その人気ぶりは、医師が手術説明のために病室を訪ねても「今、相撲を見ている。後にして」と追い返された、と言うエピソードに裏付けられます。まぁ相撲は一瞬で勝負が決まるので目が離せないのでしょうね。とは言え、そもそも、何をしに入院しているのか?本末転倒な患者さんが多いのが病棟あるあるです。脱走(自己都合退院)や喫煙、暴言、看護師へのセクハラによる強制退院も多く、毎日そういった患者さんに振り回されているのが現状です。

そんな人が本当にいるのか?と驚くような人に溢れています。一時間ごとにナースコールで珈琲を買いに行かせる人。所かまわず盛大な音を立てて放屁する人…この人、六人部屋だったので苦情が殺到し師長さんは対応に苦慮しました。延々と独り言を続ける人。トイレを流さない人。

 一々列挙していたらキリが有りませんが、高齢になればなるほどキャラの濃さは増す傾向にあります。もし皆さんが入院するようなことがあれば、是非、個室をお勧めします。不思議な人達に悩まされること無く、ストレスフリーな入院ライフが送れます。高いですけどね。

 来週はお休みします。コロナ濃厚接触のため待機中の医療従事者が多く、激務につき再来週も保証は出来ませんので、悪しからず。

 

 椿の羊羹を差し入れていただきました。椿の味?はしませんでしたが、癒されました。

2022年1月15日

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年も“つぶやき日記”をよろしくお願いします。

コロナの第六波の中、皆さんはいかがお過ごしですか?オミクロン株の性格もだんだん分かって来たし、感染防止には何が必要なのかは判っている。ちょっと油断しそうになりますね。気を引き締めていきたいと思います。

さて、先日、初句会に出席して来ました。兼題が「初比叡」「嫁が君」となかなか聞かない難しいもので、正月冒頭から頭をひねった次第です。もはや消えかけている季語が数多くあるものの中に「嫁が君」も数えられるのではないでしょうか?

まず、正月のネズミがなぜ「嫁の君」と呼ばれるのか?ちょっと調べてみました。

 (1)(夜、目がきくので)夜目が君の意か〔大言海〕。

 (2)(夜、群れで行動するため)ヨメ(夜群)の義

                  〔言元梯・天野政徳随筆〕。

 (3) ヨモノの転。ヨモノは忌む物の意〔嫁が君=楳垣実〕。

(4) 正月にねずみのね(寝)の音を嫌って忌詞として呼んだものか

                 〔物類称呼〕。

(5) 新年に鼠の害を減ずるためにねずみと呼ばず天井のヨメと呼び饗したところから          〔鼠に関する民俗と信念=南方熊楠・隠語=楳垣実〕。

と、ネット上から拾った情報ではなっています。とは言え、いまやネズミを見ることがすら無いのが現状です。そんなリアリティのない兼題を句友たちは如何に詠んだか…、いくつか披露すると、

 

 陋屋の大家となりて嫁が君  岸川 佐江

 嫁が君築百年の闇駆ける   大澤 順子

王道です。昔ながらの家の屋根裏で、太い梁を駆けまわるネズミを想像します。

 箱木千年家を守りて嫁が君  石井 ユキヱ

 というのもありました。箱木千年家というのは、固有名詞で、現在も残されている築800年ぐらいの箱木家の古民家の事です。そして中にはこんな新しい視点を結び合わせて詠んだ句も

 ロシュフォールチーズがお好き嫁が君  古田 小春

まったく新しい発想に開眼の思いがします。オシャレな一句になりました。

実は、私はあまりリアリティのない兼題にあまり賛成していません。想像にたよって詠む句に無理が出るように思うからです。でも、今回の句会で少し考えを改めました。今年は、古い兼題にも挑戦しようと思っています。